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ニュース一覧 2016.11.03 up

レポート

第6回 楽員国際交流事業リポート(シンガポール響ヴァイオリン奏者/ヨウ・チョウメン氏)



20160920
本番/ショスタコーヴィチの交響曲第8番(9月20日)
© Rikimaru Hotta

 東京都交響楽団は2009年度より、シンガポール交響楽団との楽員交流事業を実施しています。この交流事業は、《首都東京の音楽大使》である都響が東南アジアのオーケストラとして活躍の場を広げるシンガポール響と互いに演奏家を派遣し、交流を行っているものです。
 6回目の実施となった本年度は、都響からヴィオラ奏者・林康夫が4月にシンガポールへ行き、同響のガラ・コンサートに参加しました(詳細はこちらをご覧ください)。
 シンガポール響からはヴァイオリン奏者ヨウ・チョウメンさんが9月に来日、都響の定期A(15日)と定期B(20日)に第2ヴァイオリンとして参加しました。
 今回はヨウ・チョウメンさんのリポートをお届けします。


畏敬の念を起こさせる場 ―― ヨウ・チョウメン(シンガポール交響楽団 ヴァイオリン奏者)

 

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リハーサルで都響メンバーに紹介(9月12日)

 9月11日から22日まで日本に滞在、エリアフ・インバル指揮、東京都交響楽団の定期演奏会2公演(9月15日定期A:バルトークの《管弦楽のための協奏曲》等/9月20日定期B:ショスタコーヴィチの交響曲第8番等)で一緒に演奏できたことは大変嬉しく、光栄に思います。都響とシンガポール響の交流事業は、音楽家の仲間たちと異なった環境で一緒に演奏する機会を与えてくれ、私にとって啓発的で実りのあるものでした。

 日本のオーケストラは規律正しく、技術能力があり、洗練された響きを持っていることで知られています。都響も例外ではありません。完璧な準備をしてくれた演奏統括部の皆さんに感謝しています。ディレクターの方々やオーケストラのメンバーとも食事会をしていただきました。


 マエストロ・インバルの厳しい指導で、リハーサルは規則正しくなされます。

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リハーサル(9月12日)

マエストロは東京文化会館の演奏会で、《管弦楽のための協奏曲》を暗譜で指揮しました。東京文化会館の音響はシンガポールのエスプラネード・ホール(1,600席)に似ています。2公演目の会場、サントリーホールはさらに響くように感じました。アンサンブルは、すべてのセクションのアインザッツが正確で引き締まっています。弦楽器はよく調和し、金管楽器や打楽器が高圧的になることはありません。 滞在中、私の典型的なスケジュールは、品川駅から上野駅まで12kmを電車で20分かけて東京文化会館に到着。ほとんどの楽員が1時間から1時間半をかけて会場に通いますが、彼らはリハーサル開始時間の1時間前には到着し、練習しています。リハーサルは10時30分から12時30分まで(15分休憩含む)、大きな編成から始まり、1時間の昼休憩後は13時30分から15時30分まで、小さい編成や協奏曲のリハーサルを行います。

 楽員は親和性が高く、お互いに理解し、

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本番/バルトークの《管弦楽のための協奏曲》(9月15日)
© Rikimaru Hotta

尊重しあっているのでリハーサルでは相乗効果が見られます。平均年齢は43歳で最も若いオーケストラの一つです。
 私の都響での経験を一言でいうと「畏敬の念を起こさせる場」―― それはすべての楽員が素晴らしい音楽を一緒に作ろう! という一つの目標に集中しているからです。


ヨウ・チョウメンさん 出演公演
9月15日(木) 第814回 定期演奏会Aシリーズ
9月20日(火) 第815回 定期演奏会Bシリーズ




(月刊都響2016年11月号より転載)

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