

都響スペシャル
都響スペシャル
ジョセフ・アレッシ
インタビュー
文/後藤菜穂子(音楽ライター)
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7月17・18日の「都響スペシャル」で、チック・コリアのトロンボーン協奏曲を演奏するジョセフ・アレッシ。この曲の世界初演の状況やアラン・ギルバートとの共演への期待、近年の活動などについて、お話を伺いました。
※ 取材は2022 年5 月28 日、東京~ニューヨークのリモートにて行いました。
◆ 来日の思い出
― アレッシさんは、これまでさまざまな形で何度も来日されていますが、ソリストとして日本のオーケストラとの共演はありますか?
「このたびは偉大なミュージシャンかつ作曲家であったチック・コリアのトロンボーン協奏曲を東京都交響楽団と日本初演することになり、とても光栄に思っています。日本のオーケストラとの共演は、過去にインターナショナル・トロンボーン・サミットという催しで来日したときに新日本フィル(注:1995年、セロツキのトロンボーン協奏曲 他)と、そして名古屋フィルとの共演(注:2008年、ニーノ・ロータのトロンボーン協奏曲 他)などがあります。都響とは初共演です。
初めて日本を訪れたのは1981年、フィラデルフィア管弦楽団の奏者だった時のリッカルド・ムーティとの日本ツアーでした。友人が初めて寿司に連れて行ってくれたり、奈良や京都(金閣寺)を訪れたり、良い思い出となっています。その後、モントリオール交響楽団やニューヨーク・フィル(NYP)ともたびたび来日しています。ソロやアンサンブルを含めると、今回が15
回目くらいではないでしょうか。今年も7月の都響のあと、9月にはスライド・モンスターズ(注:日米欧4人の名手によるトロンボーン・ユニット)のメンバーとしてもまた来ます」
◆ チック・コリアのトロンボーン協奏曲
― チック・コリアのトロンボーン協奏曲は、本来2021年6月にアレッシさんがNYPと世界初演するはずでしたが、コロナ禍の影響で延期になり、世界初演は同年8月にブラジルで、ジャンカルロ・ゲレーロ指揮サンパウロ交響楽団との共演で行われました。初演は盛り上がりましたか?
「当時、ブラジルではまだコロナの規制が残っていたため、オーケストラは距離を取りながらの演奏でしたし、満席ではありませんでしたが、聴衆は熱心に聴いてくださり、評判も上々でした。今年4月には同じ指揮者のもとで、ポルトガルのグルベンキアン管弦楽団とも演奏しましたが、その時は通常配置に戻っていました。
7月の東京公演のあとは、来年1月にヘルシンキ、そして5月にNYPと演奏します。その後もいくつか打診が来ていますので、演奏の機会はあると思います。本来の委嘱者であるNYPとの初演が終わるまではこの曲を演奏できるのは私だけですが、その後は誰でも取り上げられるようになります。私の仲間である中川英二郎も興味を示しています。作品には即興演奏の部分もありますので、即興の得意な彼などは私とはまた違った演奏をするでしょう。また、トロンボーンと吹奏楽とのヴァージョンも今、用意しており、こちらも需要が多いのではないかと期待しています。吹奏楽版は、来年ミッドウェスト・バンド・クリニックにおいてラスヴェガス大学のウィンド・オーケストラと一緒に初演する予定です」
― そもそもチック・コリアに最初に作曲をお願いしたのはいつでしたか? そして、どんな反応でしたか?
「最初に連絡を取ったのは2017年8月2日でした。初めはややためらっていたように思います。というのも、彼はそれまでもオーケストラ曲を書いていましたが、クラシックのオーケストラとの経験は必ずしも良いものではなかったようです。そこで私は、NYPはあらゆる作曲家の曲を初演してきてどんなスタイルにもすぐに対応できるので大丈夫だと伝え、その後、彼もNYPを聴きに来て団員たちにも会い、最終的に引き受けてくれました。本当は2020/21年にNYPでチックのレジデンシーが予定されており、トロンボーン協奏曲の初演ではピアノ・パートも弾いてくれるはずでしたので、みんなとても残念に思っています(注:チック・コリアは2021年2月9日に死去した)」
― アレッシさんは、これまで多くの同時代の作曲家たちに協奏曲を委嘱してきました。レパートリーに定着したものとしてはどんな作品がありますか?
「アラン・ギルバートの指揮でNYPと初演したウィリアム・ボルコムの協奏曲(2008年)、NYPが私のために委嘱してくれたクリストファー・ラウズの素晴らしい協奏曲(1992年)などでしょうか。それからトロンボーンと吹奏楽のための協奏曲にも良い曲がたくさんあります。
私自身、これまでにジョン・ウィリアムズ、ジョン・アダムズ、ジョン・コリリアーノ、ジョン・ハービソン、ウィントン・マルサリスらに協奏曲を書いてくれないかとお願いしましたが、実現しませんでした。タイミングもありますし、そもそもトロンボーンに興味がないという人もいましたね。でもチックは思いきって引き受けてくれたのです。きっと彼はトロンボーンのために協奏曲を書くことになるとは夢にも思わなかったでしょうけれど、とても柔軟な人でしたので興味を持ってくれたのでしょう。その音楽は決して簡単ではありませんが、トロンボーンがとても映える曲だと思います。私が彼の前でいろいろとトロンボーンを演奏してみせた時に、きっと彼は私の長所や短所も見抜いたのでしょう。その意味でも彼はとても切れる人でした」
― 今回はアラン・ギルバートとの共演になりますが、どんなことを期待していますか?
「アランのご両親は、私とNYPの同僚でしたから、彼を子どもの頃から知っていましたが、とても聡明なお子さんだったことを覚えています。
NYPの音楽監督としては非常に優れていたと思っています。他の指揮者と違う点は、どんな曲であろうと、どんなプロジェクトであろうと恐れなかった点ですね。それはなかなか真似できないことだと思います。現代曲でも定番のレパートリーでも、彼に指揮できないものはなく、初めての曲を習得するのも早かった。その上、人間的に温厚で、いつでも気軽に話せる人でした。そうした指揮者は実はとても少ないですからね。ぜひまたNYPに戻ってきて指揮してほしいと思っています。チックの協奏曲はこれまでジャンカルロ・ゲレーロの指揮でしか演奏していないので、アランがどんな解釈をするのか私自身とても楽しみにしています。お互い付き合いが長いですから、安心して舞台に立てると思います」
◆ トロンボーンとの出会い
― アレッシさんは最初からオーケストラのトロンボーン奏者を目指されたのでしょうか。
「トロンボーンを8歳で始めた時には、いったいどんな役割を持つ楽器なのか、全くわかっていませんでした。うちは両親ともクラシックの音楽家で、トランペット奏者だった父がシカゴ交響楽団やNYPのレコードをたくさん持っていて、それらを子どもの頃に聴いて、オーケストラ音楽が好きになったんです。
私はカリフォルニアで育ったのですが、地元のユース・オーケストラの水準が高く、11歳ぐらいで最初に演奏した曲がなんとショスタコーヴィチの交響曲第5番だったんですよ!しかも第1トロンボーンを割り当てられまして(笑)。その少しあとにシカゴ響のロウブラス・アンサンブルのLPを入手して、それに感化されて、トロンボーンを本格的に学ぼうと決意しました。
同じ頃、ジャズ・トロンボーン奏者のJ.J.ジョンソンの演奏を聴き、彼の演奏が大好きになりました。また高校のジャズ・バンドがけっこう上手だったので、高校ではジャズ・グループに入ったりもしました。モントレー・ジャズ・フェスティヴァルのオールスター高校生バンドにも出たことがあるんですよ。結局、私はジャズの道は選びませんでしたが。
私自身がジャズ演奏に力を入れるようになったのはわりと最近のことです。今はジャズ・ピアノを練習していて、偉大な奏者のソロなどを研究したり、ジャズの和声法を勉強したりしています。いつか熟達したジャズ・プレイヤーになりたいですね」
◆ complete musicianを目指して
― オーケストラ奏者になった時、ソロ奏者としても活動したいと思っていましたか?
「そうですね。当時、すでにリサイタルも開いていましたし、ソロで演奏することも好きでした。NYPの奏者になった直後に、ネブラスカのオーケストラからソリストとして招かれ、セロツキの協奏曲を演奏しました――この曲は東京のインターナショナル・トロンボーン・サミットでも吹いた曲です。その後、デビューCD『スライド・エリア』をリリースし、それが国際的に流通し始めた頃から、ソロ奏者として声がかかることが多くなりました」
― オーケストラ奏者としての活動とソリストとしての活動をどのように両立されていますか?
「そもそも“両立” という考え方をしていません。オーケストラも、ジャズの演奏も、ソロ活動も、金管五重奏も、指揮をするのも、ジュリアード音楽院で教えるのも、執筆や編曲も、すべて私の音楽家としての活動なのであり、分けて考えるべきではないと思います。“すべてが揃った音楽家(complete musician)” になるためには、あらゆることができないといけないのです。それでも私は作曲しませんから、作曲もするクリスチャン・リンドバーグはとても尊敬しています!」
― オーケストラのトロンボーン奏者の醍醐味は?
「私たちはどちらかといえば脇役で、つねに吹いているわけではないので、同僚の名手たちの演奏を聴くことができるのが大きな醍醐味だと思っています。そして出番がくれば演奏に加わり、時折重要なパッセージを吹く機会があります。たとえばチャイコフスキーの交響曲第6番《悲愴》の第3楽章など、全員が演奏する中でトロンボーン・セクションの晴れ舞台が出てくると興奮しますね。セクションとしては、つねに良い音でバランスの取れた演奏ができるように心がけています」
― これまでどんな音楽家から影響を受けてきましたか?
「子どもの頃はシカゴ響のジェイ・フリードマンを尊敬していました。それからサンフランシスコで師事した先生たちですね―マイルズ・アンダーソンはロサンゼルス・フィルからサンフランシスコ交響楽団に移ってきた方で、もうひとりのマーク・ウォレンもサンフランシスコ響を引退された方でした。彼らはトップクラスの奏者であり、素晴らしい教師でもありました。
それからクラシック以外では、もちろんJ.J.ジョンソン、アービー・グリーン、ディック・ナッシュら、ジャズの名手たちからも大きな影響を受けました。最近では、往年のジャズ・トランペット奏者のクリフォード・ブラウンの演奏をよく聴いています。若い世代のジャズ・トロンボーン奏者では、マーシャル・ジルクス、マイク・ディーズが素晴らしいですね」― 年齢を重ねるごとに自分の練習方法など変化があると思いますが、特に何を意識してコンディションを整えているのでしょうか。
「練習方法はあまり変わっていないと思います。またウォームアップについては、今まで以上に真剣に取り組んでいると言えます。正しくウォームアップして、良い習慣をつけて、楽器を持ったらすぐに音を出せるようにすることです。それと、基礎練習(fundamentals)に以前より時間をかけるようになりました。これは歳を取るほど重要になると思います。また柔軟性の練習(flexibility studies)も重要だと思います。持久力と音域(endurance and range)に関してはまったく劣らないか、むしろよくなっていると思います。
実は初めてお話しするのですが、昨年11月に突然、ベル麻痺という顔面神経麻痺の病気に罹り、一時期は楽器も吹けなくなり、オーケストラもソロ活動も数ヵ月間休まなければなりませんでした。幸い、後遺症もなく回復し、今では完全復帰して、4月にはリスボンでチックの協奏曲のヨーロッパ初演を無事行うことができました。
このようにパンデミックがあったり病気があったりで、実は楽器を演奏することも、演奏を楽しむことも、決して当たり前のことではないということに気づかされた年でした。そのことを忘れないでいたいと思います」
◆ メッセージ
― 最後に日本の皆さんへのメッセージをお願いします。
「日本を訪れるのはいつも楽しみですが、今回は都響という素晴らしいオーケストラとアラン・ギルバートと一緒に、チック・コリアのトロンボーン協奏曲をサントリーホールで演奏できることを本当に嬉しく思っています。しかも、ラヴェルの《ボレロ》ではオーケストラに参加させていただけるのも特別な体験になるでしょう。きっとエキサイティングな演奏会になると思います!」
(『月刊都響』2022年7・8月号)
© Chick Corea Productions
チック・コリアの
魅力
文/小室敬幸(作曲・音楽学)
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ミュージシャンとしての活動期間は1960年代初頭から亡くなるまでのおよそ60年間。1968年のピアノトリオで収録したソロ名義のアルバム『Now He Sings, Now He Sobs』は名盤として名高く、いま聴いてもフレッシュさを失っていない。このアルバムを録音した数カ月後にはマイルス・デイヴィスのバンドに抜擢されてより注目を集めることに。ジャズの歴史に革命を起こしたマイルスの『Bitches Brew』にもチックは参加している。
『Bitches Brew』を演奏していたミュージシャンの多くはその後、独立してグループを結成。後にフュージョン(ロックなどの要素を取り入れたジャズ)と呼ばれるようになるムーヴメントはこうして始まっていった。マイルス・バンドの脱退前にアヴァンギャルドなジャズを演奏していた“サークル”は短命に終わったが、1972年にチックは最も有名なフュージョンバンドのひとつとなった“リターン・トゥ・フォーエヴァー”を結成。初期にはブラジル音楽を取り入れ、楽曲としては代名詞となる「Spain」を発表し、中期からはロック色を強めていった。それまでジャズを聴いてこなかったリスナー層からも多大な人気を得た功績は大きい。
リターン・トゥ・フォーエヴァーは1977年に一旦解散してしまうが、チックが凄いのは様々なプロジェクトを断続的とはいえ、並行して進めてきたところにある。ピアノソロや、様々な著名ミュージシャンとのデュオに加え、80年代のシンセサウンドを基調にした“チック・コリア・エレクトリック・バンド”、エレクトリック・バンドから派生したメンバーによる伝統的なピアノトリオ編成の“アコースティック・バンド”、当時の若手を大胆に起用した六重奏の“チック・コリア&オリジン”等など……。高い人気を維持しながら、フロントランナーとしてジャズの新しい可能性を切り拓いてきた事実は、誰もが認めるところであろう。
クラシック音楽との関わりは8歳から。アルフレッド・コルトー門下のサルヴァトーレ・スッロにピアノを習い始めたチック少年は、この先生を通してクラシック音楽の魅力にも開眼し、とりわけバルトーク、ストラヴィンスキー、ドビュッシーの音楽を愛するようになった。そうした嗜好が反映されているのが1971年に第1番が作曲された『Children’s Songs』シリーズだ。最終的に全20曲のピアノ組曲となり、1983年に録音されている。
80年代には他にも『Lyric Suite for Sextet』や『Septet』といったクラシック音楽の奏者と共演する作品をレコーディングしており、後者はなんと1987年にグラミー賞のBest Contemporary Classical Composition(ジャズではなくクラシック部門の現代音楽作品が受賞する賞)にノミネートされている。
また1983年にアーノンクール指揮コンセルトヘボウ管のもと、フリードリヒ・グルダと共にモーツァルトの2台ピアノと管弦楽のための協奏曲を録音したチックは、オーケストラに魅了され、ピアノ協奏曲の作曲を意識するようになる。こうして1986年にピアノ協奏曲第1番が、2011年にはピアノ協奏曲第2番(ジャズ・クインテットと室内管弦楽のための協奏曲《大陸》)が初演された。これらの経験をもとにして晩年に作曲されたのがこの度、都響によって日本初演されるトロンボーン協奏曲だ。実は作品誕生までの経緯に、小曽根真とアラン・ギルバートが関わっている。
2017年、ニューヨークのジャズクラブ、バードランドで小曽根はヴィブラフォン奏者のゲイリー・バートンとデュオでライヴを行っていた。ギルバートと共に聴きにいったトロンボーン奏者ジョゼフ・アレッシは、2人が弾くコリアの楽曲「Brasilia」(アルバム『Lyric Suite for Sextet』に収録)に心底魅せられてしまう。チックにトロンボーン協奏曲を書く気がないか、連絡を取り次いでくれたのも小曽根だった。最終的に完成した作品は、依頼者であるアレッシによって2021年8月7日にブラジルで世界初演されている。
少しだけアレッシについても紹介しておこう。1985年からニューヨーク・フィルの首席トロンボーン奏者に就任。バーンスタインの指揮するマーラー:交響曲第3番のレコーディングなどに参加している。1990年からはソリストとしてオーケストラと度々共演しており、新作の初演にも意欲的。彼が委嘱したクリストファー・ラウス(1949〜2019)のトロンボーン協奏曲(1991)は1993年、アメリカで権威あるピューリッツァー賞の音楽部門を作曲家ラウスにもたらした。
アレッシの凄さは、完璧と思えるテクニックは勿論のこと、豊かな音色にある。どの音域でも痩せない、艷やかなサウンドに世界中の金管楽器奏者が憧れと尊敬の念を抱いてきた、トロンボーンのトッププレイヤーなのである。大御所となってからも新たにジャズの勉強を積んだりと、留まることなく成長を続けている驚くべきミュージシャンなのだ。彼がギルバートと組んで日本初演を果たす、チック・コリアの傑作トロンボーン協奏曲は、絶対に聴き逃がすべきではない!
© Kazuyoshi Shimomura (AGENCE HIRATA)
小曽根真氏より
メッセージ
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2017年、ゲイリー・バートンGary Burtonとデュエットで出演したニューヨークのJAZZ CLUB “Birdland” に足を運んでくれたジョセフ・アレッシ(以下Joe*)。その日のセットでは、チックのオリジナル「Brasilia」という曲を演奏したのだが、その曲を聴いて心から感動したJoe はセット終了の直後に楽屋に飛んできた。開口一番、「マコト、チックは僕のためにトロンボーン協奏曲なんて書いてくれるだろうか?」と聞いた。僕がチックの代弁をする事なんて勿論できないけれど、きっとチックは書くだろうと思ったので「すぐに連絡してみる」とJoe に伝えた。
チックに連絡をし、Joe と直接連絡をとってもらうようにお願いしてから間もなく、Joe から「チックが引き受けてくれたよ!」と連絡をもらった。あの時は本当に嬉しかったが、まさかこのコンチェルトの初演を聞くのがチックがこの世を去ってからになるとは夢にも思わなかった。サンパウロ・シンフォニー(OSESP)がLive配信をしてくれたお陰でこのコンチェルトのワールドプレミアをリアルタイムで聴くことができたのは最高の幸せだった。
世界中のトロンボーン奏者から「神」と呼ばれるジョセフ・アレッシ。彼とはNYフィルとのコンサートで知り合い、そして僕のバンドNo Name Horsesにも参加してくれたこと、またJAZZのコンボででも一緒に演奏させてもらった。クラシックのミュージシャンがJAZZのモノマネをするのはよく見るが、彼の奏でるJAZZは本物。そのリズムのキレの良さはJAZZミュージシャンも感動するほど鋭く美しい。そのJoe のためにチックが書き下ろしたコンチェルトが今回「生」で聴ける。それも僕の親友アラン・ギルバートの指揮で。あちらこちらにチックが顔を出しながら、今までのチックの音楽にはなかった新しい音がたくさん書き込まれている。僕もそうだが、長年のチックのファンにとっても更に新しい世界を感じさせてもらえる作品であることは間違いない。
*ジョセフ・アレッシと友人である小曽根氏の表記を尊重し、愛称のままにしております。
© Simon Yu
中川英二郎氏より
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トロンボーンを始めた頃から私のアイドルだったこの2人が、まさかコラボレーションするなんて、当時の自分に伝えることができたら飛び跳ねて喜んだろうと思う。クラシックとジャズは自分の中で超えることのできない境界線があるんだろうなんて漠然と考えていた。なぜならクラシックをやっている自分と、ジャズをやっている自分という2つの人格があるかのように、仲間も違えば話す内容もカメレオンのように変えていたことを思い出す。あれから四半世紀を経て、2人のアイドルはトロンボーンコンチェルトで繋がった。まさかこういうことがあるんだ!という驚きだった。ニューヨークフィルのトロンボーン奏者のジョーがまさかジャズが大好きだったという事実。そこから我々のトロンボーン四重奏「SLIDE MONSTERS」が始まったし、チックとのコラボのきっかけは我らが小曽根真さんだった。偶然の出会いかもしれないが、必然であったかのように線で結ばれていく。その先で完成したのがこのコンチェルトなのである。
ジャズとクラシックの融合は両ジャンルが凝縮してエッセンスとして滲み出てくる。そんな感じが理想の融合だと思っている。まさにこれこそ!と言えるアーティスト同士の最高な融合を楽しみたいと思う。
【ソリスト・インタビュー】トロンボーン ジョセフ・アレッシ/都響スペシャル「チック・コリアに捧ぐ」に出演!
都響スペシャル「チック・コリアに捧ぐ」
2022年7月17日(日) 14:00開演(13:00開場)
サントリーホール
2022年7月18日(月・祝) 14:00開演(13:00開場)
サントリーホール
指揮/アラン・ギルバート
トロンボーン/ジョセフ・アレッシ(ニューヨーク・フィル首席奏者)
ガーシュウィン:キューバ序曲
チック・コリア:トロンボーン協奏曲(2020)[日本初演]
ラヴェル:スペイン狂詩曲
ラヴェル:ボレロ
アレッシモデルのトロンボーンが当たる!Twitterフォロー&リツイートキャンペーン→詳細はこちら
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アレッシモデルのトロンボーンが当たる!Twitterフォロー&リツイートキャンペーン(7/17、18 都響スペシャル)
— 東京都交響楽団 (@TMSOnews) July 4, 2022
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