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オーケストラの素朴な疑問

Q

[今月の疑問]どうしてチューニングはオーボエから始めるの?

A

首席オーボエ奏者 広田智之
首席オーボエ奏者 広田智之 ©池本さやか

オーボエが吹くラの音をきっかけに、次第に全楽器に広がっていくオーケストラのチューニング(音合わせ)。これが始まると、いよいよコンサートの開始だと気分が高まりますよね。
 このチューニングが、どうしてオーボエから始まるのか疑問に思っている方も多いのではないですか? 
別に、最初に合図をするコンサートマスターのヴァイオリンからでもいいし、音が大きいトランペットでもいいのではないかと思いますよね。でも、オーボエから始めるのにはちゃんと理由があるのです。
 まず、弦楽器は、糸巻きを回して4本の弦をそれぞれ合わせるのですがステージの温度で伸びたり、弾いているうちに弦がゆるんだりして、一度合わせてもまた狂ってしまうので、最初の合図にはあまり向いていません。
 一方、管楽器は、管を抜き差しして長さを変えることで音を合わせるのですが、管楽器の中で、管を抜き差しして音の高さを調節することができない楽器があることをご存知ですか? それはオーボエとファゴットなんです。
 管の途中に抜き差しして合わせる部分がないので、演奏者は、チューニングする音の高さに合わせて、事前にその長さになるリードやボーカル(ファゴットのリードと本体をつなぐ金属製の管)を用意して対応しているのです。
 つまり、他の楽器から音をもらっても仕方がないから、オーボエが最初に吹いて、みんながそれに合わせているというわけ(ファゴットはどうやって合わせるんだ?という疑問があると思いますが、ファゴット奏者に聞くと「気合いです」という答えがかえっています)。
 でも、昔は、チューニングで音の高さが変えられない楽器は、オーボエとファゴットだけではありませんでした。バロック時代の金管楽器も、管を抜き差しして合わせることができなかったので、短い管を継ぎ足すことで合わせていましたし、トロンボーンは20世紀になってもチューニング管がない楽器が使われていました(まあ、スライドを抜けば合わせられますけど)。
 もう1つ忘れてはいけないのは鍵盤楽器が入った場合です。シロフォンやグロッケンシュピールなど、鍵盤を持つ打楽器は、チューニングすることはできません。弦を張ったピアノやチェンバロも、時間をかければ調律はできますが、オーボエの音に合わせてチューニングするのは事実上不可能です。なので、ピアノ協奏曲などの場合は、オーボエではなく、コンサートマスターがピアノの鍵盤でラの音を叩いて、みながそれに合わせています。

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