2026年度からの指揮者体制について
ニュースペッカ・クーシストが2026年度からアーティスト・イン・レジデンス、2028年度から首席指揮者に
ダニエーレ・ルスティオーニが2026年度から首席客演指揮者に
大野、ギルバート、小泉、インバルとの協働は継続
◆現音楽監督大野和士(2015年4月就任)は、2026年3月の任期満了をもって音楽監督を退任し、2026年度から2年間芸術顧問として引き続き都響指揮者陣を代表し、2028年度からは桂冠指揮者を務めます。
◆新たに、ペッカ・クーシストが、2028年4月に首席指揮者に就任します。任期は3年。それに先立ち、2026年度から2年間、指揮者/ヴァイオリニストとしてアーティスト・イン・レジデンスを務めます。
◆現首席客演指揮者アラン・ギルバート(2018年4月就任)は、2026年度から特別客演指揮者/ミュージック・パートナーとして、任期は設けず、都響との共演関係を継続します。★2026年はギルバート自身がサバティカル休暇を取るため都響出演はありません。
◆2026年度から、ダニエーレ・ルスティオーニが首席客演指揮者として都響指揮者陣に加わります。任期は3年。
◆小泉和裕は引き続き終身名誉指揮者(2014年4月就任)を、エリアフ・インバルは引き続き桂冠指揮者(2014年4月就任)を務めます。
2026年度、2027年度 | 2028年度~ |
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芸術顧問 Artistic Advisor 特別客演指揮者/ミュージック・パートナー 首席客演指揮者 Principal Guest Conductor アーティスト・イン・レジデンス Artist in Residence 終身名誉指揮者 Honorary Conductor for Life 桂冠指揮者 Conductor Laureate 桂冠指揮者 Conductor Laureate 永久名誉指揮者 Permanent Honorary Conductor |
首席指揮者 Chief Conductor 特別客演指揮者/ミュージック・パートナー 首席客演指揮者 Principal Guest Conductor 終身名誉指揮者 Honorary Conductor for Life 桂冠指揮者 Conductor Laureate 桂冠指揮者 Conductor Laureate 桂冠指揮者 Conductor Laureate 永久名誉指揮者 Permanent Honorary Conductor |
2026年度からの指揮者体制に寄せて

©T.Tairadate
いつも都響をご支援いただき誠にありがとうございます。
2026年度からの指揮者体制について、謹んでみなさまにご案内申し上げます。
大野和士氏には、2015年度から音楽監督として11シーズンにわたって都響を率いていただきました。その間、2015年の欧州演奏旅行に始まり、数多くのプロジェクトを成功に導いてくださいました。何より、コロナ禍の困難な時期を大野氏のリーダーシップによって乗り越えることができたことは特筆すべき記憶であり、感謝に堪えません。大野氏には2026年度から2年間は芸術顧問として引き続き都響指揮者陣を代表していただき、2028年度からは桂冠指揮者として都響を支えていただきます。
そして2028年度から、ペッカ・クーシスト氏に首席指揮者を務めていただけることを大変うれしく思います。クーシスト氏は卓越した音楽家であり、創造性あふれ、自然で生き生きとした音楽を瞬間ごとに紡ぎ出す手腕は実に鮮やかです。2024年4月に彼が初めて都響を指揮した時の喜ばしい驚きは忘れられません。首席指揮者就任に先立ち、2026年度からアーティスト・イン・レジデンスとして、指揮者/ヴァイオリニストとして都響とのコラボレーションを展開します。
アラン・ギルバート氏は、首席客演指揮者として8シーズンにわたって、文字通りワールドクラスの名演を数多く繰り広げて、都響の評価と存在感を高めてくれました。2026年度からは、特別客演指揮者/ミュージック・パートナーとして、長く都響との共演を続けていきます。
さらに、2026年度から首席客演指揮者としてダニエーレ・ルスティオーニ氏を迎えることも大変うれしく思います。彼は、オペラとシンフォニーコンサートの両方を通じて、短期間のうちに都響と親しい関係を築きました。エネルギッシュな指揮と表情豊かな演奏は、毎シーズン人気を呼ぶことでしょう。声楽付きの作品はもちろん、幅広いレパートリーに取り組む予定です。
クーシスト氏とルスティオーニ氏には、都響の豊かな響きと緻密なアンサンブルを継承するとともに、ユニークなアイデアと新たな色彩をもたらしてくれることを期待しています。
より柔軟で未来志向のオーケストラを目指して、新しい指揮者体制のもと次の時代へと歩みを進める都響に、どうぞご期待ください。
2025年9月
東京都交響楽団 芸術主幹 国塩哲紀
Messages
都響が2026年度より、新しい楽章へと向かうことを、皆様にお伝えいたします。2015年に音楽監督に就任して11年、都響が得意とするマーラー、R.シュトラウスをはじめ、レパートリー拡充のための重要な作品群、あるいは、B.A.ツインマーマン、細川俊夫らの作品の世界初演、日本初演など、多くのプログラムを皆様にお届けできたことは、大きな喜びです。この間、コロナ禍のような厳しい時にも温かく寄り添ってくださった皆様のお陰で、都響のサウンドは今、ますます醸成されてきたことを、強く感じております。
私は音楽監督としては、2026年3月に退任いたしますが、その後2年間はアーティスティック・アドヴァイザーとして、そして2028年4月からは桂冠指揮者として、オーケストラとの協力関係を続けて参ります。 一方で、新しく指揮者陣の中に、才能に溢れたペッカ・クーシストとダニエーレ・ルスティオーニの二人が加わることは、都響にとって、この上ないことと感じております。
今年、創立60周年を迎えた都響の未来へ、今後も変わらぬご支援を賜わりますよう、心よりお願い申し上げます。
大野和士
東京都交響楽団との初めてのリハーサル以来、私はこのオーケストラに深い敬意と感銘を抱いています。そして今、この素晴らしいオーケストラの家族の一員として迎え入れていただけることに、心からの感謝と喜びを感じています。
東京という都市の音楽の鼓動を感じ取り、それが日本の文化的営みの中でどのように響き合っているのかを探ることは、私にとって大きな責任であると同時に、深い喜びでもあります。フィンランド人として、私たちは形や動き、集中力に関する美意識を共有していると感じており、都響の仲間たちとともに、それらを探求できることを心から楽しみにしています。
ペッカ・クーシスト
I have been an admirer of the Tokyo Metropolitan Symphony Orchestra from our first rehearsal together. It is a gift to now become a member of this great musical family.
I feel a joyous responsibility for understanding the musical pulse of Tokyo, and how it resonates within Japanese cultural life. As a Finn, I believe we share certain ideals of shape, movement and concentration, and I am looking forward to exploring them with my friends and colleagues in the Tokyo Metropolitan Symphony Orchestra.
Pekka Kuusisto
長年にわたり、東京都交響楽団とは、私自身最も思い出深い音楽体験を数多く重ねてきました。私は都響の演奏家の方々と深い音楽的繋がりを感じており、私たちの友情を大切にしています。このパートナーシップを新たな形で継続させていただくことは光栄であり、新たな役割を担うことを大変嬉しく思います。これからも末永く、オーケストラの皆様、そして愛する日本の聴衆の皆様と、音楽を分かち合えることを楽しみにしています。ありがとうございます。
アラン・ギルバート
Over the years I have had some of my most memorable musical experiences with the Tokyo Metropolitan Symphony Orchestra. I feel a deep musical connection with the musicians, and value our friendship. It is an honor to be asked to continue this partnership in a new way, and I am thrilled to take on this new role. I look forward to sharing music with the orchestra and my beloved audience in Japan long into the future. Thank you.
Alan Gilbert
11年前、東京都交響楽団との出会いはプッチーニの音楽とともに心奪われる出来事でした。そして、初めての定期演奏会出演で演奏したベルリオーズの《幻想交響曲》もまた。リハーサルやコンサートで、都響の楽員たちのエネルギー、特別な音色、献身的な姿勢、そして愛情は、常に並外れたものであり、ひしひしと伝わってきます。この偉大なオーケストラの芸術的なファミリーに首席客演指揮者として加わることができ、大変嬉しく思います。素晴らしいプログラムを皆様と体験し、分かち合える日が待ち遠しいです。
ダニエーレ・ルスティオーニ
My first encounter with the Tokyo Metropolitan Symphony Orchestra 11 years ago was a passionate one with Puccini’s music, followed by the first of our symphonic programs featuring Berlioz’s “Symphonie Fantastique.” The energy, special sound, dedication, and love of the TMSO musicians in rehearsals and concerts have always been extraordinary and contagious, and I am delighted to join the artistic family of this great orchestra as Principal Guest Conductor. We have wonderful programs ahead of us to experience and share with the audience.
Daniele Rustioni
写真 ©Rikimaru Hotta
(特記以外)