【第24回 都響マエストロ・ビジット】 音楽監督 大野和士×都響メンバーが都立高校で「特別講義」
レポート
リハーサルを進める大野和士
都響は、子どもたちが指揮者や演奏家と出会い、音楽の「喜び」や「楽しさ」を感じる機会として「マエストロ・ビジット」を実施。2025年度は11月19日に音楽監督・大野和士と都響メンバーが東京都立駒場高等学校を訪問。同校オーケストラ部(駒場フィルハーモニーオーケストラ部)の部員を対象に、講義とリハーサルを行った。
駒場高校は1902年創立。高い進学実績をもつと共に、全国・関東大会へ進出する部活動をいくつも擁するなど、文武両道の伝統校として知られる。駒場フィルハーモニーオーケストラ部は、毎年4月の定期演奏会(パルテノン多摩/ 2026年4月に第39回を迎える)を中心に、学内外で演奏する機会が多く、充実した活動を行っている。
前半30分は、大野和士によるお話「指揮者になるまで」。「子どものころ、ある演奏会の様子をテレビで観ていたら、腕を振ってオーケストラをまとめている人がいる。とてもカッコよくて、小1の時『しょうらいのゆめ』に『しきしゃ』と書きました」「高校の時に、弦楽部と吹奏楽部に声をかけてオーケストラを作り、合唱団も人数を増やして、合同でショスタコーヴィチの《森の歌》を演奏。皆と一緒に音楽を作る喜びを知りました」。そして、後半で演奏するチャイコフスキーの交響曲第5番(第4楽章)の魅力を、部員に語りかけた。
休憩後の50分は、都響メンバー4人がオーケストラ部に参加してのリハーサル。「テーマの16分音符はハッキリと、弾むように」「長い音の後の休符は“休み” ではなく、余韻を響かせて」など大野の指摘で、音楽は陰影を深め、立体感を増してゆく。合間に都響メンバーも「ffでは弓を押しつけずに力を抜いて、弓を大きく動かそう」など具体的なコツを伝えた。熱い高揚感とともにリハーサルを終え、部員からは「オーケストラの楽しさを改めて体験できました」の声も。世界で活躍する指揮者、プロの楽員との共演は、生徒たちの一生の宝物になったに違いない。

水谷 晃(ヴァイオリン)
佐野央子(コントラバス)
松木さや(フルート)
高橋 敦(トランペット)

駒場フィルハーモニーオーケストラ部の皆さんと記念撮影
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第24回 都響マエストロ・ビジット
2025年11月19日
東京都立駒場高等学校 ホール
訪問者/大野和士(音楽監督)
水谷 晃(コンサートマスター/ヴァイオリン)
佐野央子(コントラバス)
松木さや(フルート)
高橋 敦(トランペット)
参加生徒/駒場フィルハーモニーオーケストラ部 43人
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(取材・文/友部衆樹 写真/©堀田力丸 『月刊都響』2026年1月号より転載)
