篠原智子

第1ヴァイオリン

篠原智子 (しのはらともこ) Tomoko SHINOHARA

(2009年1月1日入団)

 桐朋学園大学卒業、同研究科修了。サイトウ・キネン・フェスティバル松本、東京のオペラの森、カザルスホールのヴィオラスペースやプロジェクトQ、PMF音楽祭、水戸室内管弦楽団等に参加。現在、東京都交響楽団団員。

私の音楽はじめて物語

(5歳ころ)
(5歳ころ)
 ヴァイオリンを始めたのは4歳の時で、きっかけは、いとこから楽器を「お下がり」でもらったことです。それで近所のヴァイオリン教室に通い始めました。最初に習ったのは戸上和代先生。スケールなど基本をずっとやっていて、曲は発表会の時に年に1曲だけ。自分でも基礎練習が一番好きで、曲をやる、と言われると緊張してしまう。ちょっと変わった子どもでした(笑)。この時期に基礎を叩き込まれたのは良かったと思います。
 中1から小栗まち絵先生に替わって、高3まで師事しました。小栗先生には、チューニングも松脂の塗り方も改めて丁寧に見ていただき、ヴァイオリンの世界へさらに視野を広げ、音楽の道へ導いてくださった感じがします。レッスンではいつも一緒に弾いていただいて、あるフレーズを弾く時の立ち方、姿勢、楽器の位置や構え、それらが今でも自分の身体に入っていますね。
 中3の時に、全日本学生音楽コンクールで第1位をいただいたんですが、具体的に進路を決めたのはその後です。コンクールの時は我ながら一生懸命練習して、ヴァイオリンで一段階上に行けた感覚がありましたし、もっと上手になりたいという気持ちがわいてきて。普通高校へ行く選択肢もあったんですが、小栗先生が教えていらっしゃる相愛高校音楽科へ進みました。
 高校時代に、小栗先生の推薦で「若い人のためのサイトウ・キネン室内楽勉強会」へ参加し始め、そこで初めて室内楽をやりました。それまで基本的にソロの勉強しかしていなかったので、耳が変わりましたね。周りのパートを聴くことや呼吸の合わせ方など、もう全部。弦楽合奏もあって、小澤征爾さんの指揮はやはり素晴らしかった。小澤さんが前に立っているだけで、演奏者は全力で弾かされてしまう、そんなオーラがあって。
 大学は桐朋へ入り、学生時代に夢中になったのはオペラです。小澤征爾音楽塾に大学1年から毎年参加して、《フィガロの結婚》《こうもり》《カルメン》などを弾きました。歌もオケも舞台もある、という総合芸術を作り上げるのに毎回感動して、とても印象に残っています。大学3年の時にサイトウ・キネン・オーケストラで《ドン・キホーテ》を弾いたんですが、私、初めて乗ったプロのオケがサイトウ・キネンだったんです。本当にスーパー・オーケストラで凄かったですね。
 大学卒業後は研究科で2年間勉強させていただき、フリーで2〜3年活動。都響へエキストラで参加した時に矢部さんからオーディションの情報をいただいて、入団は2009年です。
 最初は、曲を次から次へと仕上げるのが大変でしたけれど、でも楽しみながらやらせていただいています。インバルさんは本当にパワフルで、リハーサルもハードなんですが、マーラーの音楽とドイツ語の抑揚の関わりや、作曲家の思考を説明してくださることも多くて、吸収することがたくさんあります。まだまだ勉強の日々だな、と思っています。

(『月刊都響』2012年12月号 取材・文/友部衆樹)

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