高橋 敦

トランペット 首席奏者

高橋 敦 (たかはしおさむ) Osamu TAKAHASHI

(1999年1月1日入団)

富山県生まれ。洗足学園魚津短期大学、洗足学園大学を卒業。トランペットを津堅直弘、関山幸弘、佛坂咲千生の各氏に師事。第65回日本音楽コンクール・トランペット部門第1位。第13回日本管打楽器コンクール・トランペット部門第1位。新星日本交響楽団(現、東京フィルハーモニー交響楽団)を経て1999年、東京都交響楽団首席奏者に就任。宮崎国際音楽祭、霧島国際音楽祭、セイジ・オザワ 松本フェスティバル(サイトウ・キネン・フェスティバル松本)、防府音楽祭、三島せせらぎ音楽祭などへ定期的に参加。2016年に開催されたGolden Brass Japan Festival at Port of Moji 音楽監督。世界で最も権威と伝統があるミュンヘンARD国際音楽コンクールの審査員も務める。東京メトロポリタン・ブラス・クインテット、なぎさブラス・ゾリステン、The Schilke Five、Trumpet Ensemble “THE MOST”、トウキョウ・ミタカ・フィルハーモニア、晴れた海のオーケストラなどのメンバー。洗足学園音楽大学客員教授、東京音楽大学講師。


●CD情報
♪ソロアルバム
「ラプソディー・イン・ブルー」
「ハイドン・ベーメ・ヒンデミット トランペット作品集」
「エアー」
♪ザ・ブラスゼクステット
「ラグタイム・ダンス」
「バードランド」
♪トランペットアンサンブル「まあくんず」
「フェスティバル・ファンファーレ」
♪東京メトロポリタン・ブラス・クインテット
「ワシントンポスト・マーチ」
「ロメオとジュリエット」※同タイトルの楽譜集もドレミ楽譜出版社から出版
♪東京メトロポリタン・ブラス・トリオ
「トリオ・フォー・ブラス」
♪東京メトロポリタン・ブラス・クァルテット
「木陰の散歩道」
♪トランペット・アンサンブル「THE MOST」
「トッカータとフーガ」
「新ヴェニスの謝肉祭」
いずれもマイスターミュージックからリリース

♪東京メトロポリタン・ブラス・クインテット
金管五重奏による「ドラゴンクエスト」※同タイトルの楽譜集もドレミ楽譜出版社から出版
「すぎやまこういちとブラスの響き」
金管五重奏による「ドラゴンクエスト」PARTⅡ
金管五重奏による「ドラゴンクエスト」PARTⅢア・ラ・カルト
「東京メトロポリタン・ブラス・クインテット Plays すぎやまこういち Songs」
♪東京メトロポリタン・ウィンド・アンサンブル
吹奏楽による「ドラゴンクエスト」PARTⅠ※同タイトルの楽譜集もミュージックエイトから出版
吹奏楽による「ドラゴンクエスト」PART Ⅱ※同タイトルの楽譜集もミュージックエイトから出版
♪東京メトロポリタン・アンサンブル
組曲「兵士の物語」
いずれもキングレコードからリリース
♪なぎさブラスゾリステン
「なぎさブラスゾリステン」
ラッツパック・レコードからリリース
「もっとオーケストラ!」シリーズのCDオーケストラ作品のパート・サウンド集「もっとトランペット!」と楽譜集オーケストラ作品のパート楽譜セレクション「もっとトランペット!」
いずれもメアジックから発行
その他、管弦楽団、吹奏楽団との共演、映画、ドラマ、アニメのサウンドトラック等多数
エアー(マイスターミュージック)
エアー(マイスターミュージック)

私の音楽はじめて物語

普門館の吹奏楽コンクール全国大会で(高1/前列中央)
普門館の吹奏楽コンクール全国大会で(高1/前列中央)
 初めて触れた楽器(?)は姉からお下がりのトイピアノでした。1歳ころ、耳で覚えた童謡などを誰にも教わることなく弾いていたらしい。2歳から通った幼稚園はカトリック系だったので毎日賛美歌を歌いました。
 小学校では5年生になった4月に管楽器クラブが発足。遅れて入部したため、余っていた楽器はトランペットだけでした。トランペットを初めて手にしたその時から、比較的問題なく音を出すことができて、だから現在まで続けられたのだと思います。授業開始前と放課後、毎日練習に明け暮れ、人生で初めて、一つのことに打ち込めるものを見つけた気がしました。
 中学でも吹奏楽部に入部。このころ、オーケストラの音楽をよくラジカセで聴いていました。中1の時、先輩に連れられて参加した講習会の講師が、その後の人生でずっとお世話になる津堅直弘先生でした。これをきっかけに、津堅先生が定期的に指導されていた高岡商業高校へ進学することを決意。
 高校へ入学、しかし津堅先生はミュンヘン留学や帰国後も忙しくなり、高1では石津成人(しげと)先生、そして高2、高3では関山幸弘先生に指導を(グループ・レッスンでしたが)受けました。高校卒業時、洗足学園魚津短大(富山県魚津市)に管楽器コースが増設されたので推薦で入学。トランペットの講師は津堅先生と佛坂咲千生(ほとけざかさちお)先生。
 さすがに音大まで進んで自分の楽器を持っていないのは……と考え、親に音大に合格したことを伝え(内緒で受験したため)、無理を言って人生初のマイ・トランペットを購入してもらいました。短大2年時から都内のオーケストラへエキストラとして出演。
 短大卒業時は、東京でフリーとして生活することを薦められたものの自信がなく、コンラディン・グロート先生(ベルリン・フィル首席/当時)からはベルリン留学の声をかけていただきましたが資金がなく、多くの方々にお世話になり、洗足学園大学に特別奨学生で編入することを選びました。
 1999年、都響入団時(25歳)は国内のオケで最年少のトランペット首席奏者でしたが、現在は中堅と言われる立場になりました。
 2年前、友人のカール・ソードル(グラーツ歌劇場首席)との会話で、都響は2015年に50周年を迎えると話すと、彼は目を丸くして「Very young!」と叫び、続けてこう言いました。「どうして歴史が浅いのに日本人はこんなに優秀なんだ?」と。200年以上の歴史を経てきた彼らと、まだ100年にも届かない日本人が肩を並べて演奏していることは、とても素晴らしいと彼は思ったらしい。
 会員、サポーターをはじめとする皆様のおかげで都響は50周年を迎え、そして今後も成長し続けるために、その一員として私自身もさらに努力し、もっと高きを目指したいと思います。そして100周年を迎えるころ、都響はYoungからGreatとなり名実ともに世界のトップと肩を並べていることでしょう。

(『月刊都響』2015年3月号 取材・文/友部衆樹)

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