髙瀨新太郎

トロンボーン 首席奏者

髙瀨新太郎 (たかせしんたろう) Shintaro TAKASE

(2020年10月1日入団)

東京藝術大学卒業。これまでにトロンボーンを黒金寛行、栗田雅勝、古賀慎治、石川浩の各氏に、室内楽を栃本浩規、伴野涼介の各氏に師事。J.マーキー氏のマスタークラスを受講。
第33回ヤマハ管楽器新人演奏会に出演。第35回日本管打楽器コンクール第2位。第16回東京音楽コンクール金管部門第2位。Menagerie Brass Quintetのメンバーとして第10回チェジュ国際金管楽器コンクール金管五重奏部門第1位、NHK-FM「リサイタル・ノヴァ」出演等。ズーラシアンブラスお友達プレイヤー(スマトラトラ)の他、Menagerie Brass Quintet、Libertas Brass Quintet各メンバーとしても活動。神奈川フィルハーモニー管弦楽団契約団員を経て現在に至る。

私の音楽はじめて物語

吹奏楽部の定期演奏会<br />
(高2/サントリーホール)
吹奏楽部の定期演奏会
(高2/サントリーホール)
 音楽との出会いはピアノです。きっかけは覚えていないのですが、自分から「やりたい」と言ったらしい。6歳から、近所で教えていらした冨田美穂先生に習いました。やんちゃな生徒でしたが、一度も叱られたことがなく、音楽を好きになるレッスンだったと思います。また、音当てクイズから始まる簡単なソルフェージュもしていただき、「耳」を作ることができました。冨田先生には大学受験までお世話になりました。
 幼稚園からの幼馴染がいて、彼のお父さんがアマチュアのホルン吹きでしたので、小学校後半から時々吹奏楽のコンサートを聴いていました。ですので、小平三中へ進学した時は、迷わず吹奏楽部へ。ホルンを希望したのですが、数少ない男子ということでテューバへ。しばらく落ち込みました(笑)。古い楽器で緑青のため手が緑色になり臭いもキツくて、練習はツラかったですね。
 コンクール予選が終わった8月末、メンバーに欠員ができて、トロンボーンへ移ることに。小平三中は強豪校で、3年間毎年、コンクール全国大会へ行けたのは思い出です。奥村尚美先生(フリー)(当時/以下同)、黒金寛行先生(N響)がトレーナーでいらしていて、基礎的な奏法を学べたのも良い経験でした。
 高校進学の際は、仲が良かった1学年上の先輩である金子泰士さん(現・読響打楽器奏者)が埼玉栄高校に進学していて、吹奏楽部を見学に行き演奏を好きになったこともあって、同校へ進みました。メンバー選考やコンクールの規定などでコンクール全国大会へ行ったのは高2だけでしたが、演奏会は多く、高3から学生指揮もしていたので、忙しい日々でした。高2の定期演奏会(サントリーホール)で、《ボレロ》のソロを吹かせていただいたのはとても印象に残っています。
 東京藝大の本格的な受験準備を始めたのは高3から。トロンボーンを続けたい、でもプロになれるだろうかと迷いつつ、国公立で、東京に居たいと思うと選択肢は藝大しかない。高校にもトレーナーにいらしていた黒金先生に個人レッスンを受け、黒金先生が留学された後は栗田雅勝先生(N響首席)、古賀慎治先生(東京藝大准教授)にレッスンをしていただきました。
 東京藝大へ進学。引き続き古賀先生と、石川浩先生(東京フィル)に師事。それまでほとんど吹奏楽しか知らなかったので、ソロ曲やオーケストラのレパートリーの勉強には苦労しました。
 卒業後、2年ほどフリーで活動。神奈川フィル契約団員を1年させていただき、2019年9月に都響のオーディションを受け、翌年1月から試用期間に。ところが2ヵ月経過したところでコロナ禍の演奏停止に突入、モチベーションを保つのが大変でした。2020年9月に試用期間が終了、入団は10月です。
 個人的な課題はいつも山積みですが、先輩方が作ってこられた伝統を受け継ぎつつ、ロウ・ブラスをはじめとするブラス・セクションをより充実させて、都響のサウンドをさらに豊かにする、その使命を果たしていきたいと思います。

(『月刊都響』2022年3月号 取材・文/友部衆樹)

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