山田知史

ファゴット

山田知史 (やまだのりひと) Norihito YAMADA

(2009年10月1日入団)

武蔵野音楽大学を卒業後、ハノーファー音楽芸術大学にて学ぶ。第21回日本管打楽器コンクール第3位入賞。
これまでにファゴットを岡崎耕治、ダーク・イェンセンの両氏に師事。
京都市交響楽団を経て東京都交響楽団ファゴット奏者。


●CD情報
岡崎耕治 山田知史「ファゴットとコントラファゴットの二重奏」

曲目/
M. カーティス:セブン・モア・ジャズ&エスニック・デュオ
P. ヒンデミット:2つの二重奏曲
R. ブレーメル:3つの小二重奏曲
G. ロッシーニ:二重奏曲
D. ドラゴネッティ:二重奏曲
W.A. モーツァルト:ソナタ K.292
W.A. モーツァルト:メヌエット K.1
W.A. モーツァルト:メヌエット K.2
W.A. モーツァルト:アレグロ K.3

岡崎耕治 (ファゴット)
山田知史 (コントラファゴット)
発売元:マイスター・ミュージック(Meister Music) CD紹介+購入ページ MM-4029 ¥3,000+税

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クアドリ・ファゴッティ「ファゴット吹きの休日」

曲目/
1. L. アンダーソン:ファゴット吹きの休日
2. M. ペネーリャ:歌劇「山猫」より「パソドブレ」
3. J. S. ザメスニック:小さなコケット(浮気な娘)
4. H. R. スターン:バイ・ヘック
5. R. ウォーカー:ザ・ファニー・バニー・ハグ
6. M. ルシエ:ソアヴィナ
7-10. A. スティーヴンソン:ディヴェルティメント
11-15. A. スキロウ:ミスター・ミッドシップマン・バスーンブロワー
16-22. D. ブラウン:フェーンシュトゥッケ
23-27. M. ペーター:勇敢な騎士とその友人たち
28-31. J. B. de ボワモルティエ:ソナタ 第6番作品34-6
32. J. パッヘルベル:カノン

演奏/
クアドリ・ファゴッティ
岡崎耕治 向後崇雄 金田直道 山田知史

発売元:マイスター・ミュージック CD紹介+購入ページ 
MM-4515 ¥3,000+税
岡崎耕治 山田知史「ファゴットとコントラファゴットの二重奏」<br />
¥3,000+税
岡崎耕治 山田知史「ファゴットとコントラファゴットの二重奏」
¥3,000+税
クアドリ・ファゴッティ<br />
「ファゴット吹きの休日」<br />
¥3,000+税
クアドリ・ファゴッティ
「ファゴット吹きの休日」
¥3,000+税

私の音楽はじめて物語

自宅のピアノの前で(1歳ころ)
自宅のピアノの前で(1歳ころ)
 姉(5歳上)がピアノをやっていたので、私も近所の先生にレッスンを受け始めました。小学1年の時です。親に言われた「習い事」でしたので、ピアノはあまり熱心にやらなかったですね。身体を動かす方が好きで、小学3年から学校のサッカー・クラブに入りました。メンバーは約60人、なかなかの強豪で、自分が小学4年の時、東京都大会で優勝しています。私はレギュラーにはなれませんでしたが、身体が大きかったのでゴールキーパーをやっていました。
 ただ、足を怪我してしばらく運動はダメ、という時期があり、中学校では吹奏楽部へ。姉が吹奏楽部でクラリネットを吹いていたので馴染みがあったのと、父が「ファゴットが面白いからやってみたら」と勧めてくれたので。父は普通のサラリーマンですが、音大で声楽を勉強していて、楽器も好みがあったみたいです。
 それで吹奏楽部でファゴットを始めました。部活動は楽しかったですね。ずっと1人で練習しなければならないピアノより、皆で一緒に何かをやる方が自分には合っていたと思います。ファゴットは、最初リードだけで音を出すのに手こずり、指遣いが難しいので覚えるのが大変でしたけれど、音大でファゴットを専攻された方が学校にコーチとして教えに来ていたので、助かりました。
 普通高校へ進んで、やはり吹奏楽部へ。高校1年の時に、OBで東京藝大の学生だった方が教えに来て、この出会いが転機になりました。目の前で吹いてくれたファゴットの音があまりに素晴らしくて、自分ももっと上手になりたい、と。その方が就いていた岡崎耕治先生(N響首席奏者)の冬季講習会に参加して、師事のお願いをしました。忙しい先生なんですが、幸いにもOKをいただき、レッスンを受け始めたのは高1の冬からです。
 厳しいレッスンでしたが、リードの作り方、吹き方、姿勢など、基礎から全部教えていただきました。同時期にN響を聴きに行って、オーケストラの魅力にも開眼。高校に入るまで音楽の道は全く意識していなかったんですが、音大を目指して受験準備を始めたのは高1の3学期からです。
 武蔵野音大へ進み、引き続き岡崎先生に師事。その後、ダーク・イェンセン先生に習いたくて、ハノーファー音大(ドイツ)へ留学しました。
 ハノーファーで4年ほど勉強した後、オーディションの機会があり、2007年に京響へ入団、都響へ移ったのは2009年です。既に出来上がっているオケのハーモニーの中に自分が入るのは非常に緊張するんですが、都響はより精密な表現をするオーケストラなので、最初は本当に大変でした。私は2番ファゴットを担当していますが、木管セクションの響きの土台を作り、全体の雰囲気を盛り上げるのも大事な仕事。まだまだ勉強の日々です。
 自分も含めて若いメンバーも増えましたが、都響の伝統のサウンドを受け継ぎつつ、より良いアンサンブルと豊かな響きを作っていけたらな、と思っています。

(『月刊都響』2013年1・2月号 取材・文/友部衆樹)

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